失敗しないためのポイント(1)

適切なソリューション選び

様々なソリューションが乱立

ひとえに寮を管理するための方法と言っても、本当に様々な選択肢があります。各社がそれぞれの立ち位置でサービスやシステムを開発、提供しているため、そのすべてを網羅することは到底不可能ですが、大きく、パッケージソフト型とクラウドサービス型、独自構築/オーダーメード型の3つに分類することができます。

それぞれに一長一短があり、自社の要件に合致したタイプを選択することが肝要です。これらの3つについて、それぞれのメリットやデメリット、また、どういったケースでどのタイプを選択すべきかについて、以下に記載しています。

パッケージソフト型

パッケージソフト型とは、パソコン(サーバー)にインストールして使用するタイプのシステムです。多くの場合で専用の機材とセットで販売されており、その機材を設置し、常時稼働させることで、様々な機能を同一ネットワーク内のパソコン等の端末から利用することを想定した製品です。クラウド型のサービスが普及する前は非常に一般的だった形態で、今も非常に多くのソリューションが存在している領域です。

寮管理ソフト/パッケージのメリット

自社用の専用機材で占有して利用することができるため、利用負荷にあわせて処理能力をコントロールしやすいメリットがあります。また、自前のネットワーク内に設置することができるため、ネットワーク上の厳しい制限があるようなケースでは非常に有効な選択肢になりえます。

寮管理ソフト/パッケージのデメリット

カスタマイズ対応できることはあるものの、基本的には用意された機能を利用するため、自社の都合にあわせて機能を強化したりすることは得意ではありません。また、仮にカスタマイズができたとしても、要件の定義や、そのソフトウェアの適用といったフローに時間がかかりがちです。

また、機材とセットなことが多いため、ソフトウェアの費用に加えて、そうしたハードウェアへの費用が必要なことも初期費用が高くなってしまう要因になります。ハードウェアは定期的な更新が必要な場合もあり、そうした場合には定期的な支出が発生する場合もあります。事務所の引越しで再設置する必要があったり、停電や配線トラブル、機材トラブルといった、機材を設置するがゆえに対応が必要なことが増えるのもデメリットと言えます。

クラウドサービス型

クラウドサービス型とは、Saas(Software as a service)として、どこかのサーバー上に用意されたシステムの機能を一定の費用で利用する形態です。初期費用は不要か少額なことが多く、定額や、ユーザー数に応じて費用が変わる費用体系が採用されることが一般的です。

具体例としては、弊社サービス「クラウド留学生寮管理システムDormfor」をご参照ください。

クラウド寮管理システムのメリット

初期費用は不要であったり、あっても少額なことが多いため、初期費用を低く抑えて利用を開始することができます。また、申し込みが完了するとすぐに利用開始できるサービスも多く、すぐに使いたい、という場面では非常に有用です。お試し利用ができることが多いのも特徴なため、自社の運用フローにあうかを試しながら検討できるメリットがあります。

クラウド寮管理システムのデメリット

一つのシステムを複数の利用者が共用するかたちになるため、負荷の集中等、他の利用者の影響を受ける場合があります。また、外部ネットワークのサービスになるため、自社ネットワーク上の制限が厳しい場合には、ネットワーク側の設定を変更する等の対応が必要になります。学内ネットワーク内のデータベースやシステムと連携する必要がある場合には、特別な対応が必要になることが多いのもリスクと言えます。

サービスが継続されているうちは問題になりませんが、万が一サービス自体が提供を終了してしまった場合には、終了日以降は使い続けることができないため、代替サービスの検討や移行作業を速やかに行う必要があります。

独自構築/オーダーメード型

自社が求める要件を定義した上で、システムを一から作成するタイプです。ベースとなるものがある場合もありますが、かなりの部分を思い通りにできる場合はこのタイプに該当します。システムをどういったかたちで稼働させるかや、どういった機能を準備するかは多種多様で、また、どういった言語やフレームワーク、サーバー環境を用意するかも非常に様々なバリエーションが存在します。

独自構築システムのメリット

オーダーメードで要件を定義するため、ほぼ何でも実現できるのが最大のメリットです。機能上で連携が必要なシステムがある場合や、データの取り込みや出力、利用者の権限管理等、明確にルール化できるものであれば、どのような要件にも対応できる柔軟性があります。同時に、不要な機能とのメリハリをつけることで、余計な使わない機能ばかりで操作しにくいシステムではなく、自分たちが必要な機能だけのシンプルで強いシステムを実現することができます。

独自構築システムのデメリット

最終的な仕様によって大きく変わりますが、構築費用として費用が大きくかかることがデメリットになる可能性があります。専用に予算立てをする必要があり、プロジェクト開始が予算の成立を待つようなかたちになってしまうと、利用開始できるようになるまでの期間が長くなる場合もあります。想定利用規模によっては費用対効果でメリットがでてくるまでの期間が長くなることもありえます。

ケース別おすすめタイプ

初期構築予算を捻出するのが難しい

ある程度のまとまった予算を確保するのが困難であったり、稟議上でこれぐらいの年間予算に抑えたいといった事情があったりする場合には、クラウドサービス型が第一の選択肢になると思います。利用人数によっては中長期的に高くついてしまう可能性はありますが、初期費用を低く抑えることができ、システム利用を早くはじめて業務効率を高めながら、そのまま利用を継続することも、さらに踏み込んで独自構築でのシステムへ移行することも検討することができます。

特殊な機能や他システムとの連携を必要としない

特殊な要望はなく、基本的な機能が使えればそれで良いという場合には、パッケージソフト型かクラウド型をおすすめします。最終的にどちらにするかは、利用想定ユーザー数を考慮した上で、初期費用とその後の費用を、一定期間で比較して検討してみてください。ただ、そういったソフトウェアでも機能が多すぎる、という場合や、将来的に特殊な対応が必要になりそうな場合には、独自構築/オーダーメード型も検討の余地があるでしょう。

効果が見込めるなら業務効率化に投資したい

ある程度の予算は確保できるという前提にはなりますが、業務効率化を追求するなら独自構築/オーダーメード型がベストです。自社の運用フローにあわせて設計することができますし、痒い所に手が届く機能の積み重ねが、大きな効率化を生みます。一度に投資することが難しくても、段階的な改修を行いやすいのも独自構築/オーダーメード型ですので、短期的な視点以外にも、中長期的な視点でどこまでを目指すかを基に判断してみてください。

要件にあった最適なソリューション選びが重要

以上のように、3タイプともに良さがあり、また、この3タイプをミックスしたようなタイプもあるため、判断に苦しまれることもあるかもしれません。機能面での満足度で言えば独自構築/オーダーメード型に勝るものはありませんが、利用開始までのスピードや、短期的な投資リスクの回避等、検討の上で重要なポイントはいくつもあります。悩まれた際は、お気軽にご相談いただければと存じます。


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